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D3ブログ - 「銀座展望台)11月2日(土曜日)晴

「銀座展望台)11月2日(土曜日)晴

カテゴリ : 
銀座一丁目ブログ
執筆 : 
makiuchi 2019-11-1 16:55
▲2020年度に大学入試センター試験に変わって始まる大学入学共通テストで導入が予定されていた英語民間試験が1日延期されることが決まった。これについて本誌は2018年8月1日号で東大文学部阿部公彦教授の反対論をわが体験を通じて反対した。1年以上も前の話である。これは変更でなく廃止にすべきものである。ここに再録する。
東京大学文学部教授阿部公彦さんの「いま、あらためて考える英語教育」という講演を聞いて(2018年7月7日・成蹊大学)以来、「英語教育」が気になる。それは阿部教授の指摘である。「今回の民間による検定制度の根幹にあるのは『国際的に活躍するのは英語がペラペラしゃべれる人である』という発想である」。 そんなある日、テレビで相次ぐ災害の発生に関連して、「避難勧告」と「避難指示」とはどちらが強い言葉か問うアナウンサーの質問に戸惑う大人の姿を拝見してびっくりした。日本人の国語の力が落ちたとつくづく思う。しかも命に係わる用語である。さらに斉藤兆民著『英語襲来と日本人』講談社選書メチエ)と『英語達人塾』(中公新書)を讀み理解を深めた。 安倍政権は大学の英語試験を2020年度から民間会社に代替えさせようとしている。その上「英語の入試にスピーキングを設ける。そうすれば皆英語がペラペラになれる」と思い込んでいる。阿部教授はその体験からこの民間による資格・検定試験活用に疑問を投げかけた。明治以来百年以上にわたって日本人は英語習得に「失敗」してきたといわれるとして日本の「失敗神話」を検証し、その愚かさを説いた。元来、英語教育は「讀む・書く・聴く・話す」にある。戦前に英語教育を受けた私に言わせれば「讀む・書く」で十分で社会に出てから必要であれば「聞く・話す」を勉強すればよいと思っている。
因みに私の中学時代の英語の成績は「講読」89点…、「会作文」85点、「書取習字」80点である。なお学級の成績は50人中3番、全学年188人中15番である。
東京大学はこの民間会社による検定試験を合否の判定に使うかどうかについて白紙に戻して検討するという(2018年7月15日毎日新聞)。当然であろう。 日本人が何時までたっても英語が下手なのは学校の先生の教え方が悪いのではない。①は英語と日本語があまりにも異なっているからである。②は日本に住む日本人は日常生活で英語を必要としないからだ(藤原正彦氏の説・斉藤兆民氏の本にも同様趣旨のことがある)。もっとも日本のある企業では社内では英語だけを通用語としている。こんな企業からは真の国際人はまず育たないであろう。
藤原正彦さんは「真の国際人には外国語は関係ない」という。私もそう思う。福沢諭吉、新渡戸稲造、内村鑑三、岡倉天心らは外国語が分からないまま欧米へ出かけて称賛を受けて帰国している。彼らが身に着けていたのは日本の古典であり、漢籍であった。武士道精神をしっかりもっていた。藤原さんに言わせれば「美しい情緒と形」で武装していたという。日本人の感性は独特である。欧米・中国・韓国には「虫の音を楽しむ」ことはない。「庭草に村雨ふりてこほろぎの鳴く声聞けば秋づきにけり」「庭草尓 村雨落而 蟋蟀之 鳴音聞者 秋付尓家里」(万葉集巻10-2160)。このほか万葉集には“こほろぎ”を詠める歌2首がある。古今集にも「あきの野に道もまどひぬまつ虫のこえするかたに宿やからまし」。藤原正彦さんは言う。「悠久の自然と人生との対比の中に美を発見する感性、このような『もののあわれ』の感性はとりわけ日本人が鋭い」という。それが形となったのは茶道・華道・書道だという。それを育てるのが読書だと強調する。読書によって培われる情緒や形は大事だという。とすれば英語を始めるより手始めに万葉集や源氏物語を讀み、もののあわれを知るのが何よりも肝要ということである。

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